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教育行政・学校経営の最新情報「教職研修資料」【発行】教育開発研究所

教職研修資料2018/4/11 No.569発行  ※無断転載・加工禁止  【発行】教育開発研究所

学校経営のポイント

「子供と向き合う」働き方
 小島 宏

 

新年度のスタートに当たり、「子供と向き合うこと」を最優先する働き方に向けた学校運営と教育活動の在り方について、中教審中間まとめ(平成29年12月22日)及び文科省通知(平成30年2月9日)を基にして考察する。

 

●働き方改革の二つの側面

働き方改革は、子供と向き合う教育活動の充実とそれを支える円滑な学校運営の両面を視野においた経営戦略であると捉え、この両面から思考し、実行し、評価し、改善していくことが肝要である。

 

●学校が担うべき業務の確認

中間まとめの基本的考え方では、学校が担うべき業務を「(1)学習指導要領等を基準として編成された教育課程に基づく学習指導、(2)児童生徒の人格の形成を助けるために必要不可欠な生徒指導・進路指導、(3)保護者・地域等と連携を進めながら、これら教育課程の実施や生徒指導の実施に必要な学級経営や学校運営業務」と示している。

 

●教師の業務の確認と見直し

働き方改革を進めるには、子供と向き合う即ち「子供に質の高い教育を保障する」ため、これまで教師が担ってきた業務を以下の視点で確認し、見直すことが必要である。

「基本的には学校以外が担うべき業務」((1)登下校に関する対応、(2)放課後から夜間などにおける見回り、児童生徒が補導されたときの対応、(3)学校徴収金の徴収・管理、(4)地域ボランティアとの連絡調整)については、教育委員会等と調整してこの方向で対応できるように工夫・改善していくようにする。

「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」((5)調査・統計等への回答等、(6)児童生徒の休み時間における対応、(7)校内清掃、(8)部活動)については、教育委員会、事務職員、地域ボランティア等と連携して負担軽減の方向で、(7)(8)は発達段階やねらい等を勘案して工夫改善していく。

「教師の業務だが、負担軽減が可能な業務」((9)給食時の対応、(10)授業準備、(11)学習評価や成績処理、(12)学校行事の準備・運営、(13)進路指導、(14)支援が必要な児童生徒・家庭への対応)については、教育委員会等と連携して、専門スタッフや支援職員の導入やICT活用などの方向で工夫改善していく。

特に、(10)(11)(12)(13)(14)については、このことを通して児童生徒理解や授業力向上につながる面もあり、十分に検討していく必要がある。

 

●教職員目線の事実確認と提案等

地域人材やボランティアの導入が教育的効果を上げる一方で、その企画運営に関する連絡調整の業務が増え、多忙になったとの報告もある。

地域の人的・物的資源の活用による教師の負担軽減については、総合的な視点に立って多角的・多面的に検討することが肝要である。

そこで、「多忙について」の事実、それについての意見や提案を、例えば週案に1~2行程度記述することを奨励して、データを取ったり、働き方改革への教師の関心を高めたりするようにする。

 

●小さな改善の積み上げ

そして、提案や話し合いをするだけにとどめず、できることから実施し、前向きに取り組むようにしたい。なお、諸外国の教師の業務やそれを支える人的・予算的な支援についても広く学びたい。

 

(こじま・ひろし=元東京都公立小学校長・(公財)豊島修練会理事長)

 

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