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教育行政・学校経営の最新情報「教職研修資料」【発行】教育開発研究所

教職研修資料2018/1/11 No.563発行  ※無断転載・加工禁止  【発行】教育開発研究所

学校経営のポイント

教員の多忙解消は、誰が行うのか?
 小島 宏

 

学校現場の実態からみて、教員の勤務時間の改善は喫緊の課題である。ところで、教員の多忙解消は、いったい誰がどうすれば可能になるのか。

 

●現状の客観的な把握

文科省調査(平成28年度)によると、教諭の1日の平均勤務時間は、小学校で11時間15分、中学校で11時間32分である。前回調査(平成18年度)より小学校が43分、中学校が32分増えている。

また、業務内容別に見ると、平日は、小学校で授業27分、学年・学級経営10分、中学校で授業15分、授業準備15分、成績処理13分、学年・学級経営11分が増加している。土日は、中学校で部活動1時間4分、成績処理10分が増加している。

そこで、校長は改善策を策定するため、自校の教職員の勤務実態について把握する必要がある。

 

●中間まとめの基本的な考え方の確認

中教審「学校における働き方改革特別部会」の中間まとめ(平成29年12月)では、教師の長時間勤務改善の視点として、(1)学校及び教師が担う業務の明確化・適正化(業務の総量を減らさなければ、在校時間の短縮をしても根本的解決にならない。限られた時間の中で質の高い授業を実現するため、学校や教師が担うべき業務を整理した上で役割分担の適正化を図る等)、(2)学校の組織運営体制の在り方の見直し(児童生徒の指導に専念できる体制を整えるため、教師の業務の見直しに加え「チーム学校」体制を踏まえた組織マネジメントを重視し、効果的な学校運営体制を強化して管理職の多忙も解消する等)、(3)勤務時間の在り方に関する意識改革と制度面の検討(勤務時間を意識し、限られた時間の中で最大限の効果を上げる働き方をする。教師の勤務時間等の制度面の検討を急ぐ等)、(4)学校種や学校の設置者の違いを踏まえた働き方改革(私立・国立の学校の位置づけや適用される法制の違い等に配慮し、公立学校の優良事例等を共有しつつ各学校に必要な支援を行う等)という4点を示している。

 

●学校における改善の視点

まず、校長は、働き方と業務改善に対する教職員の意識を改革する。その上で「子どもに充実した教育を保障する」という視点に立ち、学校運営と教育活動の改善・工夫を推進する必要がある。

その際、「子どものためになるか?」を判断基準にして、授業と授業の準備、それを支える授業力の向上を重視して、働き方の改善を進める。

 

●具体的な改善の取組の例

現状を分析し、校務分掌や学級事務などについて「よりよく継続する、改善する、廃止する、新規に導入する」ことを実施し、学校をスリム化し、勤務時間内に収まるように努めたい。

そこで、教育情報等の収集・整理、指導案や教材・教具の開発・作成・活用などを共同化する。

業務改善や研究活動なども「ゼロから出発する慣習」を改め、既にあるシステムや考え方、方法などを取り入れ自校流にする。忙しさを嘆くのではなく、今できることから即改善したい。特に、中学校の部活動は、根本からの見直しをしたい。

また、教員は個業になりやすい。授業と教材準備、校務分掌等の協働体制を確立し、いい意味で「使いまわし(共有・共同活用)」の文化を創りたい。

 

●国や教育委員会等の学校への支援

中間まとめであげられた国や教育委員会、地方公共団体が取り組むべき改善事項については、学校現場の実態を踏まえ、迅速かつ具体的に進めることを強く期待するところである。

(こじま・ひろし=元東京都公立小学校長・(公財)豊島修練会理事長)

 

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