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教育行政・学校経営の最新情報「教職研修資料」【発行】教育開発研究所

教職研修資料2018/1/5 No.562発行  ※無断転載・加工禁止  【発行】教育開発研究所

教育行政のポイント

“働き方改革”の中間まとめ
 菱村 幸彦

 

昨年12月22日、中央教育審議会総会で特別部会がまとめた「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間まとめ)」が決定された。

中間まとめは、学校現場の長時間労働解消に向け、基本的な考え方、学校と教師が担う業務の明確化・適正化、学校の組織運営体制の在り方、勤務時間に関する意識改革と制度面の検討等について改善策を示している。

ここでその全体を紹介することはできないが、改革のキーポイントとなる「学校・教師が担う業務の明確化・適正化」について見てみよう。

 

●学校以外が担うべき業務

特別部会では、これまで学校・教師が担ってきた14の業務を取り上げ、法令上の位置づけ、業務に従事している割合、教師の負担感等を踏まえ、「本来は誰が担うべき業務であるか」「負担軽減のためにどのように適正化を図るべきか」という観点から、審議を重ねてきた。

その結果、中間まとめは、14の業務を次のように整理している。

第1は、学校以外が担うべき業務である。

中間まとめは、

(1)登下校に関する対応

(2)放課後から夜間などにおける見回り、児童生徒が補導された時の対応

(3)学校徴収金の徴収・管理

(4)地域ボランティアとの連絡調整

――については、基本的に「学校以外が担うべき業務」としている。

これらの業務は、業務の内容に応じて、地方公共団体や教育委員会、保護者、地域学校協働活動推進員や地域ボランティア等が担うべきとする。

 

●必ずしも教師が担う必要のない業務

第2は、必ずしも教師が担う必要のない業務である。

中間まとめは、

(5)調査・統計等への回答等

(6)児童生徒の休み時間における対応

(7)校内清掃

(8)部活動

――については、学校の業務であるが、必ずしも教師が担わなければならない業務ではないとしている。

教師以外の担い手として、「調査・統計」については事務職員等、「休み時間における対応」や「校内清掃」については事務職員や地域ボランティア等、「部活動」については部活動指導員等の活用を挙げている。

 

●教師の負担軽減が可能な業務

第3は、教師の業務であるが、負担軽減が可能な業務である。

中間まとめは、

(9)給食時の対応

(10)授業準備

(11)学習評価や成績処理

(12)学校行事等の準備・運営

(13)進路指導

(14)支援が必要な児童生徒・家庭への対応

――については、基本的に学校・教師の業務であるとしている。

そのうえで、「授業準備」や「学習評価や成績処理」についてはサポートスタッフ等の活用、「学校行事の準備・運営」については事務職員や民間委託の外部人材等の支援、「給食時の対応」については学級担任と栄養教諭等との連携、「進路指導」については事務職員や民間企業経験者など外部人材等との業務分担、「支援が必要な児童生徒・家庭への対応」についてはスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等との業務分担により対応を図るべきとする。

 

中間まとめを受けて、12月26日、文部科学省は「学校における働き方改革に関する緊急対策」を公表した。緊急対策は、文科省が中心的に実施していく内容をまとめたものであるが、教育委員会や学校をはじめ教育関係者が一丸となって教師の長時間勤務の解消に取り組むことを求めている。

(ひしむら・ゆきひこ=国立教育政策研究所名誉所員)

 

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